マルクス『資本論 第2巻』/岩波書店

いやー長かった。厚かった。ようやく読み終えました。2巻では主に資本の循環、つまり金→物資→生産→物資→金という流れについて細かく分析しています。意外だったのは、内容が現代の我々からするとひどくごく当たり前のことばかり書かれているということです。要するに多少なりとも経済学を学んだことのある人間からすると2巻は「今更何言ってんだ」みたいな、とても退屈な内容にうつるかもしれません。とはいえ・・・これはマルクスがこの資本論を著した時代について考えてみなければいけないのです。哲学史でいうとちょうど「哲学を科学しよう!」とまさに新時代の哲学を開始したカントのような存在だったのではないでしょうか。マルクスの前にはA・スミス、リカードといった経済学者がいましたが、いずれもマルクスからみるとなにかしらの誤解であったり誤謬をかかえた論でした。マルクスはし本論のなかで特にA・スミスを槍玉にあげています。ていうかDISっています。個人的な恨みがあるんじゃないかというレベルで激しく突っ込みをいれています。2巻の見所はマルクス以前の経済学者たちの論にたいする資本論の位置付けを行っているところですかねー。あんまり資本の循環理論については目新しいところはないです。マルクスがあんまりにもA・スミスをDISっているので、マルクスがそれ以降のケインズさんとかからどういう扱いを受けているのかにも興味が湧いてきました。
タラタラと3巻を読み始めています。