ジル・ドゥルーズ、フェリックス・ガタリ『千のプラトー―資本主義と分裂症』/河出書房新社

ドゥルーズ追っかけの一環として読んで見た本。『アンチ・オイディプス』という本の続きらしいが、多分読んでなくてもあまり問題はない。カントの『純粋理性批判』なりベルクソンの『創造的進化論』なりといったいわゆる哲学論文を期待して読んではいけない。これは幻視の書である。資本主義や戦争や神経症に関係するいくつもの概念やイメージが次々と開示され、交錯していく。ドゥルーズは刹那のひとである。稲妻のように来たかと思えば通り過ぎてしまっている。読み手はその背中を追うだけで必死である。
難解な書籍である。繰り返し読むとイメージがつかめてくる。とはいえ半分くらいはドゥルーズガタリにからかわれているのか、それとも何か重要な意味があるのかわからないのである。それでもこの本は豊穣なイメージに満ち溢れて、読み手を惹きつけてやまない。
個人的には読むのがちょっと早すぎた。ドゥルーズの別の著作をもっとあたってから再度トライしたいと思う。